TECH::CAMPに通って、錆びついたプログラミングをリブートしてみた
プログラミングを学習できるTECH::CAMP(テックキャンプ)。
Webアプリーケーションコースで1ヶ月学びました。
その結果をレポートします。
1. TECH::CAMPで学べること
私が学んだTECH::CAMP(テックキャンプ)のWebアプリケーション1ヶ月コースでは、Ruby言語を学び、WebアプリケーションのフレームワークとしてRuby on Railsをインストールして、実際に稼働するアプリケーションを自分でプログラミングして仕組みを学びます。
1)勉強方法
入会すると、学習用の専用サイトに入り、基本は独学で学びます。
このような感じのメニューサイトがあります。
(TECH::CAMPサイトより)
このメニューに沿って自分でプログラムを書いて進めていきます。
私が受講したのは、Webアプリケーション1ヶ月コース。
コースと料金は:
ーキャンプスタイル(教室も利用可)
1ヶ月:¥138,240 2ヶ月:¥174,960 イナズマ:¥127,440
ーオンラインスタイル(オンラインのみ)
1ヶ月:¥127,440 2ヶ月:¥162,000
カリキュラムは同じですが、イナズマコースは1週間缶詰で学びます。
カリキュラム自体は100時間の学習をベースに作成されているので、各自が勉強に充てられる時間でコースを選びます。
1か月コースだと、平日3時間、土日6時間
2か月コースだと、その倍の余裕で学習できます。
イナズマコースは、1日8時間教室でメンターとマンツーマンで1週間学習します。
社会人だと、1か月コースの時間も確保するのは難しいでしょう。
私は現在フリーなので、毎日5時間、教室に通って学習できました。
2か月だと余裕はできますが、学習は集中してやらないと覚えないので、1か月コースがお勧めです。
勉強方法は、自宅からオンラインでカリキュラムを進めながら、わからない箇所はメンターにチャットやスカイプで質問できます。
教室(早稲田、渋谷、大阪・梅田、福岡・天神)を利用できるコースを選べば、そこにこもって勉強したり、直接質問したりすることも可能です。
わからない箇所をチャットで説明するのはかなり難しいです。やはり、教室に通い、わからない箇所はすぐにメンターにその場で質問して解決するのが、一番効率がいいです。私のPC画面を見ながら隣で解決策を指摘してくれます。教室に通える人は、そちらを選んで勉強するのをお勧めします。
2)学べるプログラミング言語、開発環境
基本カリキュラムで学習するのは:
ー 開発環境
2. ターミナル
(左がターミナル画面、右がSublime Text3画面)
ー HTML/CSS
ー Ruby on Rails (Ruby開発フレームワーク)
基本カリキュラムでは、pictweetというサンプルサイトをコーディングしながら、学習します。サンプルコードが提示されるので、それをエディターにコピペしていけば、サンプルコードが書ける仕組みです。
応用カリキュラムで学習するのは:
ー 開発環境
2. SourceTree (Gitをグラフィカルに表示して管理するアプリ)
3. Heroku (開発したアプリをHerokuにアップしてWebに公開する)
4. Bootstrap (多様なWeb siteのサンプルHTML/CSS集)
5. CarrierWave (画像をサーバにアップロードする)
これを全てインストールして使用すると、作成したアプリをサーバにアップして、公開できるようになります。
Rubyはサーバ側のアプリを開発するための言語ですが、フロントエンド側のWebアプリを開発する言語としてJavaScriptとjQueryを学習します。
応用カリキュラムで学習する開発環境は、インストールが大変なので、うまくいかなかった時にメンターにサポートしてもらえるのは大変心強いです。
2. TECH::CAMPを受講する前に知っておいた方がいいこと
1)学習時間を100時間確保できるかがキモ
私は今フリーなので、1ヶ月で115時間教室に通って学習できました。(平均1日4.5時間)しかし、働きながら夜間に教室に通ったり、自宅で学習しながらで1ヶ月でカリキュラムをこなすのは、かなり厳しいです。だからといって、2ヶ月コースを選ぶと時間が空きすぎて集中して学習できないと思います。メンターの方に聞いた話だと、お盆休みや年末年始に開催される”イナズマコース”に参加する社会人が多いらしいです。
2)1ヶ月コースを受講した後に延長が可能
1ヶ月コースを受講して、全てのカリキュラムを学習できなかったり、自分のWebアプリケーションを作成中にコースが終了した場合に、1ヶ月36,700円で延長が可能です。この延長は、続けて受けなくても例えば3ヶ月後に受講することもできます。
延長料金の36,700円は1ヶ月コースと2ヶ月コースの料金の差額ですので、1ヶ月コースで学習してから、自分のタイミングで1ヶ月延長して、自作アプリ作成のサポートを受けるのがいいかもしれません。
3)受講が始まる前にスターダッシュができる
私が受講したのは29期(2016/12/9〜2017/1/16)の1ヶ月コースでしたが、受講が始まる2週間前からカリキュラムを見て学習をスタートすることができます。ただし、質問は受講が始まるまでできません。このスタートダッシュ期間にできるだけカリキュラムを進めることをお勧めします。
最初は基本学習なので早く進みますが、Railsに入るとグッと難しくなるので、Rubyまでは終わらせておくと楽です。私は、HTML/CSSが初心者だったので、そこから受講期間を始めてメンターに質問しながら進めました。
受講期間を決める際に、スタートダッシュ期間(2週間)も考慮して決めましょう。
4)受講料の割引がある
Webアプリケーション1ヶ月コースの受講料が138,240円。やはり10万円を超えるとさすがに身構えます。
この授業料に対する割引があります。(併用は不可)
1. TECH::CAMP卒業生からの紹介で5%
2. 事前説明会・体験学習会に参加して当日に受講を申請すると5%
3. 友達と一緒に申し込むと10%
私は説明会の当日に受講申請して5%割引を使いました。
紹介割引できますので、申込時の紹介者に「田中邦明」と書いていただければ5%割引を受けられます。
5)受講終了後はカリキュラムは見ることはできない
受講終了後、自分でカリキュラムを復習することはできません。まあ、カリキュラムがTECH::CAMPのミソなので、それはしょうがないでしょう。
ただし、受講終了後も環境設定の項目は閲覧できるので、新しいPCに乗り換えたり、OSのアップグレードを行った時に自分で環境を構築できるので、これは大変助かります。
6)Macが必要
このコースのカリキュラムはMacで学習することを前提に作成されています。Windowsでも学習可能となっていますが、MacとWindowsではキーボードの配列も違うし、開発環境もそっくり同じではありません。
なぜMacなのかというと、macOSがUNIX系のOSで、rubyはLinux(UNIX系OS)上で開発されたからです。実はmacOSにはRubyが標準で入っています。WIndowsだとRubyをインストールするところから始めないといけません。
Macのもう一つのメリットは、仮想ソフトを使えばMac上にWindowsを乗せて1台で両方のOSを使うことができます。Windows PCにmacOSをインストールするのは原則難しいです。(できないことはないですが、OSのライセンスの問題もあるので)
よって、Rubyのプログラミングを学習したいなら、Macに切り替えるのをお勧めします。
3. 受講して気づいたこと
1)まずはカリキュラムを進めてプログラミングの流れを掴む
私はプログラミングの実践経験もあり、他の初心者の方より入りやすかったと思いますが、カリキュラムはわからなくても、サンプルコードをコピペすれば次に進めるようになっています。まずは、どんどん進めていって、動くサンプルアプリを作成することです。同じサンプルアプリを2度書いてみるカリキュラムになっていて、2度目は自然にコードの意味については考える余裕が出てきます。同じファイルを何度も修正するので、実際にどのファイルを修正してプログラムを書いていくかがわかるようになります。Ruby言語の文法からではなく、サンプルコードを書きながら、必要なクラスやインスタンスを覚えていくやり方は覚えやすいと思います。
2) 教室へ行って学んだ方がいい
教室が住んでいる場所から近くにあり通えるなら、絶対教室へ行くのをお勧めします。理由は:
1. 同じ環境の生徒と一緒にいるだけで、勉強に集中できる。
2. メンター(教室にいる先生)にわからないところをすぐに聞ける
生徒もメンターも若い人が多いです。昼間は学生が多く、かなり混んでいます。先生にも理解度に差があり、難しい質問に答えられない時は、上級メンターに変わって説明してくれます。ただし、学生気分で学習している雰囲気はなく、みんな真剣にPCに向かって学習しています。よって教室内は質問している生徒と先生以外の会話はほとんど聞かれません。静かな中で学習できますから、自宅でやるより集中できます。
3)Webサイトのデザイン、HTML/CSSの勉強は別途必要
このキャンプで学習するのは、Rubyを使ったWebサーバのアプリケーション作成であり、Webサイトのデザインはメインではありません。よって、実際のWebアプリケーションサイトを立ち上げるには、フロンエンドのHTML/CSS, JavaScript, jQueryの学習も別途必要です。それらのレッスンもこのカリキュラムに含まれていますが、もっと深く学習する必要があります。
4. なぜプログラミングを勉強する必要があるのか?
私は元々理系で、最初の就職先でもプログラマーをやっていましたので、(30年も昔の話ですが)もう一度プログラミングを始めたいと思って、最新の言語であるRubyを使ったWebアプリケーションを学べるキャンプに参加しました。
結果は、思ったより昔学んだスキルは錆びついていないなとわかり、嬉しく思ってます。でも今回キャンプに参加して、教室に来ている人に話を聞いてみると、理系だけではなく、文系の学生や、就職先で営業や経理をやっている人も多く参加しているのがわかりました。
すでにプログラミングは技術者だけが学ぶものではなく、新しいビジネスを起業する人や再就職を考えている人に必要な”言語”になっているといくことです。例えば、”英語”と同じように。プログラミング”言語”と言われているように、そこには文系も理系も関係なく、これからの世の中を渡っていくのに必須なスキルになっています。
ただし、受講料13万円を取り返すことがすぐにできるかと言えば、難しいかもしれません。しかし、ここで学んだことを土台にして、自分でスキルアップすることができれば必ず役に立つと思います。
誰でも面白いアイデアが浮かぶことはあると思います。しかし、それを自分で形にするのは誰でもできることではありません。お金があれば、アイデアを形にする人材を雇って形にすることはできますが、それは万人ができることではありません。これからは自分でプロデュースして形にしたものを売っていくしか稼げない時代がやってくると思います。そのためにスキルとしてプログラミングを学ぶことは大事なことだと思います。
もし、ご興味があれば下記のサイトにアクセスしてみてください。
https://tech-camp.in/ (TECH::CAMPサイト)
では、では。
要注意!macOS Sierraにアップグレードする前に
macOS Sierraが9月末に出てから1ヶ月以上が経過した。
いつものことだが、アップグレードは慎重に行うことをモットーにしているので、まだmacOS Sierraにはアップグレードしていない。
特に気をつけなければいけないのは、プリンターが対応するかどうか確認することだ。
大体、プリンターメーカーが新しいOSに対応するには1ヶ月以上かかる。
そろそろかな?と思い、macOS Sierraへの対応状況を確認してみた。
私が使っているのは、7年前に購入したキャノンのインクジェット複合機 MP640だ。
ググってみると対応表があったので、確認したら.....
あれ?MP640がないぞ!
一応、El Capitanの対応表も確認してみると...
つまり、MP640, MP560, MP550はmacOS Sierraには非対応(つまり切り捨て)になったということだ。
かなりショック!
確かに既に7年間使っているが、1回も故障せずまだまだ現役で使える代物なのに。
買い替えかー。
ヨドバシ.comで新しいインクジェット複合機を見てみると、一番安いPIXUS TS5030で20,970円(税込)だ。これにインク代が掛かるので、25,000円ぐらいの出費になる。
もう一つの問題は、今使っているプリンターをどうやって捨てるかだ。
これを粗大ゴミで出すと費用がかかる。
実は、ヨドバシは新しいプリンンターを買うと、ゴールドポイント100ポイントで古いプリンターの下取りサービスをやっている。ただし、店頭かテレフォンショッピングでの購入に限るが。
これを利用すれば、新しいプリンターを配達した時に古いプリンターを持って行ってもらえるので楽チンだ。
ただし、まだMP640のインクが残っているので、来年の年賀状を印刷してからの買い替えになるけど。
さて、ここまでしてmacOS Sierraにアップグレードする必要があるのか?
答えは”ある”だ。
macOS Sierraの新機能には:
1. Siri
2. ユニバーサル・クリップボード
3. 最適化されたストレージ
が搭載された。
これらについては、macOS Sierraにアップグレードしてから報告したい。
では、では。
誕生日について考えてみた
私事ですが、今日は私の誕生日です。
しかし、私は自分が生まれた日のことは覚えていません。(当たり前ですが)
私が生まれた日の事を一番覚えているのは、私の母です。(当たり前ですが)
今、私の母は特別養護老人ホームに入居しています。
だから、もう私が生まれた日の事を聞いてもわかりません。昔、聞いた話では、
私が生まれた日は今日のように暑い日だったそうです。出産日は、予定日より遅れていて、かつ私が大きかったので難産だったようです。
と、いうように昔の母や叔母さん、叔父さんに聞いた話からしかわかりません。
人は自分が生まれた日の事は覚えていないのです。
そして、人は多くの場合、自分が死ぬ時のことも覚えていないでしょう。それでいいと思います。
自分はいつ生まれて、いつ死んだのか、それを覚えていないのなら、日々を大切に生きていればいいのではないでしょうか。
いつ生まれたのか覚えていないのなら、いつ死ぬかに怯えていてもしょうがないでしょう。
そして、自分の誕生日には、お母さんに”産んでくれてありがとう”と伝えることが大事だと思います。
今年も母にそれを伝えることができて幸せです。
では、では。
マイナンバーカードを(やっと)申請してみた
本日、個人番号(マイナンバー)カードをWebから申請した。
この時期に個人番号カードを申請したのには訳がある。
1)来年の確定申告はe-Taxで行いたい。
e-Taxで確定申告するには、(住基カードを持っていなければ)個人番号カードが
必要になる。
2)現在、個人番号カードを申請しても、できるまで6ヶ月かかっている。
つまり、このタイミングで申請をしないと年末までに個人番号カードが出来ない可能性があったので申請をした。
今後、交付処理もこなれて短期間になるだろうが、やはり今年中に入手しておくには、このタイミングで申請しておいた方が良さそうだ。
申請は、Web経由で行った。
1)まず「マイナンバーカード 申請」でググると、「マイナンバーカード総合サイト
/パソコンによる申請方法」がトップに検索されるので、それをクリック。
2)上記の「オンライン申請用サイトはこちら」をクリックして、申請を開始。
3)申請に必要なのは下記の情報:
1. 申請書ID: 通知カードの下に付いている交付申請書のトップに記載されている
23桁の数字
2. メール連絡用氏名: PCで使用できる漢字で書かれた氏名。特殊な漢字だとメールで
通知する時に漢字が表示されないので。
3. メールアドレス: 実際の登録サイトのURLは、このメールアドレスに通知される。
4)次に顔写真の登録。事前に顔写真をデジタルデータでPCに読み込んでおく。
5)取り込んだ顔写真データは上記の規格に合うようにトリミングしておくこと。
私はマイナンバーカードの顔写真はずっと残るので、写真店で撮影した。
6)顔写真の登録した後は、生年月日の入力する。
7)電子証明書の発行希望の有無とは、今後マイナンバーカードを使ってPCから
個人認証を行う時に入力するパスワードを登録するかどうかを確認するもの。
デフォルトは希望ありになっている。希望ありの場合は、マイナンバーカードを
受け取る際に、パスワード(8桁以上の英数字+記号)とPIN番号(数字4桁)を
登録する必要があるので、事前に決めておくこと。
8)氏名の点字表記の希望の有無の確認。デフォルトは希望なし。
以上で登録は完了。完了後、登録完了通知がメールで届く。
後は、忘れた頃に交付通知書が届くのを待つだけ。
交付通知書が届いたら、受け取りの段取りについてレポートする予定。
では、では。
バイオマス発電所を観てきた!
5/20(金)に日帰りで岡山県真庭市にできたバイオマス発電所を観てきた。
真庭観光連盟が催行する”バイオマスツアー真庭”に個人参加してきたのだが、実は3年前にも参加している。今回の目玉は、1年前に稼動した真庭市のバイオマス発電所だ。
発電出力10,000kWで、一般家庭の約22,000世帯分の発電量を誇る。
集合場所の真庭市役所までは、岡山空港からレンタカーで約1時間、岡山自動車道と中国自動車道を経由していく中国山脈の山中にある。
真庭市は、岡山県で一番大きな市だが、人口は48,400人と人口減少に悩む地方都市である。
真庭市の山林面積は65,600haで内訳は人工林60%:天然林40%、人工林の内、ヒノキ72%:スギ22%の林業がメインの市である。ご多聞に漏れず、真庭市の山林も手入れが行き届かず、間伐材がそのまま山に残されている状態があった。また製材所から出る木屑も産廃として廃棄していた。それらを木質バイオマス発電所で処理して地域内でエネルギーを循環させようという壮大なプロジェクトだ。
実は、現在全国で20か所以上で発電出力10,000kW以上の木質バイオマス発電所の建設が計画・進行中である。
何故このような大規模バイオマス発電所が建設されているかというと、再生エネルギー固定価格買取制度(FIT)で基準モデルを5,000kWにしたからである。
そこでFIT基準で再生エネルギー売電で参入を計画した企業・自治体は、燃料となる木質材の供給の目処も立てずに計画を進めたところが多い。現在、稼動を開始したバイオマス発電所では燃料となる木材が集まらず、稼働率が予定より上がらずに赤字になっているところが多い。
5,000kW級の発電所だと年間10万立法メートルもの木材(約6万トン)が必要になる。多くのバイオマス発電所ではこの規模の木材を集めることができず、稼働率が上がらない。
つまり10,000kW以上のバイオマス発電所はどこにでも作れるわけではないのだ。
3. 真庭バイオマス発電所は健全な供給サイクルで発電している
真庭地域には、森林資源だけでなく、原木市場、製材所、製品市場全てが揃っている。
1) 原木市場:3市場 (取扱量:年間12万立法メートル)
*岡山県内の素材生産量は年間約33万立法メートル
2) 製材所: 30社 (木仕入量:年間約20万立法メートル)
(製材品出荷量:年間約12万立法メートル)
*仕入ー出荷の差の8万立法メートルが木屑であり、これをバイオマス発電に活用している。
これらの木質系廃材に加え、山に残された間伐材を燃料とし、真庭バイオマス発電所は年間15万トンの木質バイオマスを使用して発電している。
このバイオマス発電に安定的に燃料を供給する真庭バイオマス集積基地(第2工場)が発電所と同じ真庭産業団地にある。
この第2工場は2014年10月から発電用燃料の受入を開始した。年間約5万トンの発電用燃料の加工を行う。地域内外からも発電用燃料は集まり年間約15万トンの発電用燃料が集積される。
では、この工場で行う加工とは何か?それは破砕と乾燥である。
この巨大な破砕機はカナダ製で、土がついた間伐材をそのまま破砕できる。日本製の破砕機は、土がついたままだと目詰まりしてダメだという。
樹皮を除いた原木は、このチョッパーで破砕して燃料用のピンチップに加工する。
今までは、ヒノキのスライスチップは製紙用に(色が白いので)、スギのスライスチップは燃料用に販売していたが、ペーパーレス時代が本格して製紙の需要が減り、ヒノキのチップが製紙用に売れなくなってきている。それらの需要変動にも対応していかなくてはいけない。
写真に写っているのが、樹皮を破砕した山である。バイオマス発電所は原則含水率が50%以下の木質燃料しか買い取らない。原木を破砕するチップの含水率は30%以下なので、そのまま出荷できるが、樹皮や間伐材は含水率が50%以上あり、乾燥させて50%以下に減らしてからしか出荷できない。現状、野外で乾燥させているので、雨が降ると濡れてしまうので、雨が降るとシートをかけてなるべく濡れないようにしている。
本当は発電所も水分が多い樹皮や間伐材は買い取りたくないが、真庭バイオマスタウン構想はただ単に木材を燃やして売電するのが目的ではなく、山林の保護や地域林業がうまく回るようにするのが目的なので、樹皮や間伐材も燃料として買い取っている。
木質燃料の買取価格:
集積場での受入単価:5千円/t (木材タイプの区別なし)
協議会費: 1千円/t
輸送費: 1千円/t
加工費: 3千円/t
発電所の買取価格: 1万円/t (含水率50%以下)
年間15万トンが発電用燃料とすると、年間7.5億円が木材や間伐材を持ち込んだ地域に還元され、発電所は年間15億円を燃料代として支払っている計算になる。
これを決めるのが、”稼働率”である。
では、稼動して1年の出来立てホヤホヤのバイオマス発電所を見ていこう。
トラベリングストーカボイラー
燃料は、ボイラの前壁より燃焼室内へ散布され、粒子の細かいものは燃焼室内で飛散中に乾燥・燃焼し、比較的粒子の粗いものは燃焼室内底部のストーカへ着床して、乾燥・燃焼を開始する。燃料は、ストーカが燃焼室の後方より前方へ緩やかに移動しながら前部の灰出口に到達するまでに燃焼を完結させますが、比較的ゆっくりとした燃焼であり、燃料の発熱量、含水率や形状への対応範囲が広いことが特長。
木質チップ定量フィーダ
木質チップを定量供給する機械。右上の取入れ口からボイラーに供給される。
ボイラーの中を小窓から覗ける。これが灼熱地獄。
蒸気復水器。タービンを回した蒸気を冷やして水に戻す。空冷式で建物の下にある大きなファンを回して蒸気を冷やす。
蒸気タービン。この左側に発電機がある。
発電出力はきっちり1万kW出てました。
この内、1800kWを自己消費するので、実際の売電量は8200kWになる。
受変電設備。この高架線が2キロ先の中国電力の電力線につながっていて売電している。ちなみに2キロ先の電力線に繋ぐのに4億円かかっている。
バイオマス発電のFIT買取単価:35円/kW
真庭バイオマス発電の売電量:8,200kWh
稼働率はこの1年間の実績である。当初の予定は70%だったが、それを大幅に上回っている。結局バイオマス発電所はどれだけ稼動したかが売上になるわけだから、これ以上の売上は望めない。
年間売上=売電量 X 稼動時間 X 買取単価
=8,200kWh X 24h X 330日 X 35円/kW
=23億円
先ほど発電所の燃料代を15億円と計算したので、粗利は約8億円になる。
これから経費を引いても十分黒字になっている。
ちなみにこの発電所は従業員15名ほどで運営している。
真庭バイオマス発電所の総事業費は41億円。その内補助金で21億円を賄っており、残りは銀行からの借り入れ等を行っているので、利益から返済をする必要はあるが、FIT買取価格が20年固定であれば、赤字になることはないだろう。
現在、稼働率95%で運営されているので、上記で計算した売上が最大になるので、今後も十分に木質燃料を供給できるかがカギになる。
真庭バイオマス発電所は、健全は供給サイクルの上で運営されている。
つまり真庭市は、災害にあって外部からの電力供給が止まっても自立できる市になったということだ。
羨ましいー。
では、では。
バスタ新宿を使ってみた!
先週の金曜日、10年ぶりに羽田空港から岡山まで国内線を使った際に、新しくできた”バスタ新宿”からリムジンバスで羽田空港へ行ってみた。
新宿を経由して羽田空港を行く人限定の情報になるが、新宿から羽田空港第2ターミナルまで25分で行けるようになった。今まで品川から京急、浜松町からモノレールで行くと、乗り換えを入れると1時間弱かかっていたことを考えると大幅な時短になる。
では、JR中央線からの乗り換え手順を示す。
1)まず東京駅行きの中央線なら1号車に乗って新宿に駅に着いたら、そのままプラットフォームの一番端の出口に向かう。
2)新南改札口のエスカレータに乗る。新南改札は甲州街道を越えて新宿バスタのビルの下にあるので、雨の日でも濡れずに行ける。
3)新南改札を出てすぐ左に空港バス乗り場(4F)に直通のエスカレーターがある。
4)長いエスカレーターを上ると左手にバスターミナルの入り口がある。JRからの乗り換えだと10分でも間に合うかもしれないぐらいの近さ。
5)入口を入って手前の発券台の一番左のオレンジの発券機が空港バス(羽田、成田)
用発券機。右の発券機は高速バス用でこれでは羽田、成田行きは発券されないので要注意。
6)羽田行きは"A1"乗り場。成田行きは"A2"乗り場から。
バスタ新宿発羽田空港行きの基本情報:
1. 料金: 大人片道1,230円。
2. 所要時間:第2ターミナル(ANA系)まで25分
第1ターミナル(JAL系) まで30分
国際線ターミナル まで40分
3. 運行状況:基本は20分間隔で運行。朝6時台は6:00,6:10,6:20,6:30,6:50で運行
20:00発以降は国際線ターミナルのみ停車。
バスタ新宿始発は4:00。ただし、これは国際線ターミナルのみ停車。
4:40発から国内線ターミナル停車。
バスタ新宿最終は22:50。国際ターミナル着は23:20。
一つ要注意なのが、混んでいると定員になり次第、次以降のバスに振り替えられる。
乗りたいバスの時間ギリギリに行くと、既に満席になっている可能性があるので余裕を持って行った方がいい。
もし乗りたいバス時刻が決まっていたら、ネットで予約もできる。(会員登録が必要)
今回、自分は6:20発が乗りたい時刻だったが、一つ前の6:10に間に合うように行ったら、発券機に着いた時は満席だった。そこで6:20のチケットを買って乗車口へ行ったらキャンセル待ちの列があり、そこに並んでいたらキャンセルが多く出て、6:10発に乗ることができた。とりあえず、満席でもキャンセル待ち列に並んでみるのをお勧めする。
なぜ新宿から羽田まで25分で行けるようになったかというと、新しく開通した中央環状線(渋谷ー大井)を使っているからだ。だから渋谷から大井までは全て地下である。
東京の西側に住んでいる人は、羽田までは空港バスが一番早くて便利になった。
では、では。
熊本地震で考えたこと:今こそ道州制の導入を!
熊本地震が発生して2週間が経った。以前の震災と比べて、復旧に関して改善したことは多くある。
**改善点(良くなっていること)**
今回も自衛隊員の懸命な人命救助と被災者援助には頭が下がる。自衛隊員も誇りを持って任務を遂行しているし、被災者も本当に感謝している姿を見て涙が出た。
2. 迅速な交通網の復旧
今回の地震後の交通網の復旧は迅速だった。ほぼ2週間で空港、新幹線、高速道路が復旧した。直下型地震では橋が落ちるなど甚大な被害が発生することが多いが、そこまでの大きな被害はなく復旧が早まった。やはり日本の土木技術は素晴らしい。
ただし、今回の震災でもあまり改善されない事も多くあった。
**問題点(前回より改善されていないこと)**
1. 支援物資の配給方法
まず支援物資が直接被災地に送られて、そこで仕分けに手が回らず、各避難場所まで適切に配送されない事態が今回も起こった。あと、テレビやSNSで物資支援を依頼したところに過剰な支援物資が届いた反面、支援を依頼できないところには送られない問題が発生した。
→解決策:まず被災していない近隣県に配送センターを立ち上げて、そこから避難場所に配送する手配を整える。実際、コンビニ各社では前回の東日本大震災の教訓から震災後、すぐに物流網を再編して近隣県からの配送を行い、迅速にコンビニ店の再開にこぎつけた。民間でできるのだから国ができないのは何故?
2. 子供や介護が必要な方の緊急避難場所の提供
まだ余震が続く中、乳幼児を抱えた親や介護が必要な方が被災地の避難所で大変苦労されている。まずこのようなサポートが必要な人を被災していない近隣県の施設が受け入れを行う必要があるのではないか。ようやく今日、熊本県からの要請で、福岡、佐賀、長崎が被災者の受け入れを始めたとのニュースがあったが遅すぎる。最低でもインフラが復旧するまでの緊急避難を被災後すぐに行う必要がある。
3. 罹災証明書が発行できない
熊本県の5つの市町村役場が被災して機能しなくなっている。家屋の復旧資金を申請するのに必要な罹災証明書が発行できず、復旧が滞っている。
→解決策:まず市町村が持つ住民情報をネットワーク化して、どこからでもアクセスできるようにして、被災していない近隣市町村で発行できるようにする。実際、それを可能するためのマイナンバーではなかったのか?
4. マスコミの過剰報道の問題
多くのマスコミに対する過剰報道と被災者にかける迷惑についてSNSを通じて報道がされている。観ている視聴者も過剰な報道に参っている。
→解決策:震災報道については、公共放送であるNHKと被災した地域にあるローカル局に限定すれば良い。そして視聴率からそれらの報道は外す。NHKなら視聴率から外されても問題ないでしょう。
今回の震災もだが、一つの県が震災復旧を全て自県で行うのは不可能だ。今回もほぼ熊本県全域が被災しているので、熊本県が直接国と救援について交渉するには限界がある。やはり広域な行政機関を作って、そこが国と救援交渉をするべきだ。
今こそ先延ばしになっている”道州制”を導入して、今回の震災なら”九州”が窓口になって、支援活動を行うべきだ。
これから熊本地震クラスの震災は頻繁に起きる。あとどこで起きても不思議ではない。地震予測はできないという前提で、いつ、どこで起きても迅速に対応出来る組織として道州制の導入を至急進めるできだ。
では、では。