5年目のバイオマス発電所は安定していた
2016/5/20(金)の1回目、2017/3/20(月)の2回目、2018/10/23(火)の3回目に続き、2020/11/6(金)に4回目のバイオマス発電所ツアーに参加してきた。前回から2年が経ちバイオマスエコシステムは順調に回っていた。
今回は2年前と比べて大きな変更点はない。安定した運用ができていることが確認できた。
1)バイオマス集積基地(第2工場)
前回訪問した時にはできていた屋根付き乾燥場のおかげで、含水率30%〜40%で5,500円/tの価格でバイオマス発電所に木質燃料は売却できるようになり、売上が向上していた。
この集積基地には、以下の木質副産物が持ち込まれる。
1. 未利用材:山の木を伐採する際に、製品として使えない曲がった木、根本や木の
先端部分など、搬出されずに山に残置されたもの。
2. 端材(一般材):材料の型に沿って切り出した際に生じる余分な切れ端
3. 樹皮:樹木の表皮(一般材)
それぞれの木質副産物の取扱量は以下の通り。
ただし、前回まで一律5,000円/tで買い取っていたが、今回はヒノキは5,000円、スギは4,500円と価格に差を付けていた。
発電所が買い取るFIT価格については、前回同様:
・未利用材:32円/kwh
・一般材: 24円/kwh
の差を付けて、森を健全化させるインセンティブを維持していた。
そして、その5000円から500円を山主に還元している制度は続けていて、累計で山主に3億円を還元できたそうだ。これによって山主に山を維持管理していこうというモチベーションを持ってもらうことができる。
2年前と比べ売電量が9,300kWhに上がっているのは、発電所自体が消費する電力が700kWhで済んでいるので、10,000-700=9,300kWhを売電できている。
年間売上、燃料代、粗利はヒアリングできた数字で、FIT買取価格は逆算で推定した。
2015年4月から運用を開始して5年が経過したが、現在まで大きな故障もなく順調に黒字運営していた。
3)銘建工業本社新社屋訪問
今回のツアーの目玉は、2020年1月に完成した銘建工業本社新社屋の訪問だった。この新社屋は、銘建工業が自社で製作、販売しているCLTを使って建築してされており、CLT建築物件のモデルルームとして位置付けている。
基本的に基礎以外はコンクリートは使われていない。建屋の部分はCLTとそれを支える鉄骨で組み立てられている。よって建屋部分は1ヶ月で組み上がったとの事。木の温もりが感じられるいいオフィスだった。ちなみに社長室はなく、中島社長は奥のデスクで仕事をしているとの事だった。
4)真庭市の人口
2020/11/1現在の真庭市の人口は44,254人である。前回訪問した2018/10/1現在の真庭市の人口は45,839人だったので、2年で1,585人減少している。
真庭市も人口増加は難しいことは認識しており、新しい取組で人口減少速度を緩やかにして、4万人は維持したいとのことであった。
では、では。